『DUNE/デューン 砂の惑星』
金曜夜、仕事で長距離運転をした後に2時間半もある映画を見る。
そんなことだってあると思うんだ。
という訳で、またもタイミングを逃しそうになって慌てて観にいった消化枠こと『デューン 砂の惑星』です。
実はフランク・ハーバートの原作は未読。そしてデヴィット・リンチ版も未見(時間あれば見たかったけど見れなかった。なんでこのタイミングでネトフリから消えちまったんだ)。
その割にドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』はめちゃくちゃ好きで、あの映画だけはBDも買って何度も見返してるので、俺にとっての“DUNE”は『ホドロフスキーのDUNE』だったりします。超最高なドキュメンタリー映画なので見たことない人は絶対見てください(特に創作活動してる人には絶対響くと思う)。
で、今回のドゥニ・ヴィルヌーブ版。
僕は同監督の『ボーダーライン』や『メッセージ』、そして何より『ブレードランナー2049』も大好きなので、結構期待値は高めでした。そしてその期待値は超えてきてくれていたような。ビジュアルはかなり『ブレードランナー2049』の路線で、あの無機質な感じのガジェット類やら建築物やら(すごく未来の話なので機能性突き詰めるとああなるんかな、という妙な説得力もあり)がカッコよく。あと、あのハンス・ジマーの重低音が効いた音楽もドゥニ監督の雰囲気にあってて好き。
ただ、今回はそういったSFのビジュアルよりも、やっぱキャストが凄かった。豪華っていうのもあるけど、なんというか顔と演技の説得力がすごくあるんですよね。ビジュアルはそれこそ、CGで何でもできる今の時代なら成立するのは分かるんですが、キャストに関しては「この面子揃えればいける!」って思った制作側グッジョブ。特にティモシー・シャラメとゼンデイヤは他に置き換え不能というか、あの若さであの説得力出せる人は他に居ないでしょ。それとアトロクでも言われていた、シャラメとジェイソン・モモアという組み合わせの妙。マジで化学反応起きてました。モモア、かっけぇよね……。
個人的にはハルコンネン男爵のあの絵に描いたような邪悪さも好き。ホドロフスキー版ではかのオーソン・ウェルズが演じる予定で、数々のイメージボードでも邪悪さがゴリゴリ伝わってきましたが、今回具現化されたハルコンネンも全然負けてないと思う。そして演じた方がマイティ・ソーに出てた博士だと知ってびっくりしました(変わり過ぎて判別できない)! あと、浮遊する時の「ポッポッポッポッ……」みたいな謎の音、『ブレードランナー2049』でもジャレッド・レトが使う機械で似たような音が響いてた気がするんですが、あれはドゥニ監督的には悪役が鳴らしそうな音ってことなんですかね。
一方で、各所で言われてる終わり方の独特さというか、「えっ、ここで終わるの?」感は僕も面喰いました。よく言えば原作を省略しないための英断だろうし、悪く言えば尻切れトンボという気も。しかし、元々続編が作れるかどうか分からない状態でこれをやったんですから、その蛮勇っぷりはやっぱすごいと思う(そしてそのギャンブルに勝つドゥニ監督)。
ただ個人的なことを言えば、僕は事前情報で「今回がパート1で次回作も決まってる」というのを知った状態で見たのもあって、後半は話そのものというより「どこで終わらせるつもりなんだろう」というところに興味が行ってしまって、後から考えるとそれはちょっと映画の見方としてはよくなかったような気がしました。あと最後の方は戦闘シーンが始まるまでさすがにちょっと眠かった(これは仕事帰りの深夜に見たせい)。
何にせよ、ドゥニ監督が本作をしっかり成功させたのは本当に嬉しいです。パート2も楽しみ。
↑予告編だけで泣けてくる。超名作だからマジで見て! 今ならアマプラにもあるから!