狂信者こそ心に疑念を宿している。

Ryuto(リュート・スマイリー)のブログです。趣味の話とかしたい。

第4回新潟特撮上映会:『ゴジラVSデストロイア』と富山省吾プロデューサートークショー

 新潟市民映画館「シネ・ウインド」にて本日行われた第4回新潟特撮上映会に行ってまいりました。

 本イベント、参加は(確か)3回目。一度だけ都合で行けなかった時がありましたがそれ以外は皆勤賞のはず。今回の上映会、元々は2020年に開催予定でしたが、コロナ禍があり約2年の延期を経てようやくの開催となりました。まさか『ゴジラVSコング』よりも後になるとは思わなかった。

 まずは約27年ぶり(自分で書いてても信じられない数字)にスクリーンで観たゴジラVSデストロイアですよ。僕がゴジラ映画で初めて見たのは『VSキングギドラ』ですが、映画館で観た初めてのゴジラ映画は実はこの作品です。ロードショー中ではなく、試写会に当選して親と一緒に行った記憶。自分にとってヒーローの中のヒーローであるゴジラが死ぬなんて当時は信じられず、当時はメルトダウンし消えていくゴジラの姿をただ茫然と眺めていた記憶。

 フィルム独特のノイズや、一部で画面のズレ(後のトークショーでのお話によると、今回使用したフィルムの切り替わり部分でどうしてもそうなってしまうか所があったとのこと)があったりもしましたが、それも含め「そういやフィルムの映画ってこんな感じだったな」という味が。今やデシタルが当たり前なので、久しく味わってないあの小さなプツプツ音とか、何もかも懐かしかったです。

 あと、クライマックスの荘厳に消えていくゴジラね……何度観てもやっぱ泣いてしまう………。僕もいい大人なので、何十回も見てるゴジラ映画だと「このシーンどう撮ったんだろうな」「ここの合成上手くいってるな」とか無意識に嫌な大人の視点になってしまうことがあるんですが、ゴジラの死のシーンだけは、そういうのを一瞬忘れてしまう強烈な何かがあると思います。あのぐちゃぐちゃな感情はもう永久に抱え続けることになるんだろうな。

 そして上映後はお待ちかね、富山省吾プロデューサーのトークショー。個人的には富山Pを認知したのは『ゴジラ FINAL WARS』のDVDに収録されているゴジラの歴史に迫るドキュメンタリーを観た時だったような気がします。あのドキュメンタリーですら20年近く前のものですが、それでもやっぱり「あっ、富山Pだ!」ってなるくらいには脳内にお姿が刷り込まれてました。自分にとってのゴジラ第一次黄金期であるVSシリーズから、ゴジラが長い眠りにつく直前までシリーズを支えてくれていた方なので、この人がいなければゴジラにはハマらなかったと言っても過言ではないんですよね。

 トークショーでは円谷英二田中友幸プロデューサー、伊福部昭先生といった特撮創世記の神々から、平成シリーズの川北紘一特技監督、先日亡くなられた中野昭慶特技監督、ポスターアートの生頼範義先生など、レジェンド級の方々の逸話が出るわ出るわ。個々の話までここでは書きませんが、個人的にはVSキングギドラで都庁をブッ壊すことを決めた話が痛快で最高でしたね。街を破壊するゴジラが人間に伝えていることについて、ウクライナ情勢も交えてお話されていたのも印象的でした。

 終了間際の質疑応答では、今作のプロモーションでゴジラの死」を前面に押し出すことになった経緯について質問させて頂きました。富山P曰く、平成シリーズを終わらせるにはゴジラの死しかないと川北監督が方針を示し、田中Pが次をつくれるように示唆することを条件に許可したことで、宣伝でも大々的に「ゴジラ死す」と押し出すことにしたとのことでした(故に映画のラストがアレなんですね)。富山Pからこのお話を直接聞けたのがありがたかったなと。

 今回は2年待っただけのことはある、濃厚で非常に贅沢な時間を過ごすことができました。富山省吾プロデューサーと上映会のスタッフの皆様、改めてありがとうございました。

f:id:ryutosmiley:20220718002825j:image

↑色紙のほか、当時ボロボロになるまで読んだゴジラVSデストロイア超全集」にもサインして頂きました。嬉しみが深い。