しばらくブログをさぼっておりました。
どれもこれもマスターデュエルってヤツが悪いんだ。
というわけでアダム・マッケイ監督の新作『ドント・ルック・アップ』、遅ればせながら見ました。全然関係ないけど年末公開の映画って毎回年間ベストのどっちに入れるべきか迷うよね。
アダム・マッケイ監督の作品は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『バイス』とどっちも異常に面白かったので(特に『マネー・ショート』はネトフリで何十周もしてる気がする。何か知らんけど流し見に最適なんですよねアレ)、今回も期待を胸に鑑賞。できれば劇場で見たかったですが、コロナ禍を暗喩してる作品なのである意味自宅で鑑賞して良かったのかも。
冒頭から「地球に彗星が迫ってくる! 直撃したら間違いなく滅亡! やべぇ!」とテンポ良く話が始まる。と思ったら状況的な意味でテンポが良いのはここまでで、その後はひたすら人類がお互いの足を引っ張りあう! 状況は全然前に進まないが話は(映画的な意味で)実にテンポ良く見せる。
大統領は中間選挙が近いから無視するわ、と思ったらスキャンダルで情勢がヤバくなったのでプロパガンダに利用し始めるわ、ワイドショーに出たらコメンテーターに茶化されて終わるわ。吠えるジェニファー・ローレンス! キレるディカプリオ!! しかしそれすらもネットミームにされ消費されていく……。
世界滅亡の危機に人類が団結! なんてことには全然ならず、悪い方向にひたすら進み続けるので笑いながらもイライラさせられます。ブラックコメディなんですが、最後の方はあんまりにもあんまりでさすがに怖くなりました。現実の世界でも似たような事態に心当たりがあるのが背筋が冷える。
キャストの豪華さもこの映画の魅力ですが、あまりにも演技が上手すぎて出てくる人ほぼ全員イライラさせてくれます(褒め言葉)。ジョナ・ヒルとかすげぇ頭にきた。あとアリアナ・グランデのあの感じ、音楽でなんか良いことしてる感がすごいその、欺瞞モリモリというか……。 でもやっぱり本作のMVPはIT長者を演じたマーク・ライランスでしょうか。「これは人類の進化なんだ!」とか大真面目な表情で言い出すの、マキシマム狂ってるとしかいいようがない。
この、どう考えても避けられるはずの大災害に全速力で向かっていく感じ、どっかで見たなと思いましたが、大失敗に終わった音楽フェス「ファイア・フェスティバル」のドキュメンタリー映画にすげぇ似てるんですよね。アレも反対する人から切っていく、って証言あったし。そういやこの映画もNetflix配信だったな。そう考えると本作は地球規模のFYREフェスだったのかもしれません。
↑ドキュメンタリー『FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー』。こっちもオススメ。