『シャン・チー テン・リングスの伝説』
相変わらず映画館に行く時間が中々取れないのですが、来週あたりから注目作がガンガン公開されるので、とにかく未消化の映画をどうにかせんとと思い、急いで観てきました。公開からひと月以上経ち、既に1日1回上映まで減っていたけど、いやー劇場で観て良かった。
シャン・チー、みんな超面白い超面白いばっかり言ってたじゃないですか。超面白かったです。
MCUでカンフーアクションでアジア系ヒーローやるんや! という勢いがガンガン伝わってきて、とにかくアクションシーンがカッコ良かった。MCUでここまでアクションが良い! と思ったのは『ウィンターソルジャー』以来かもしれない(それだけに終盤のアレとの戦闘はもう少し肉体使って欲しかった、とも思ったり)。
それにキャストが全員良くて。主役のシャン・チーを演じたシム・リウ君(なんか君付けしたくなる)、予告の時は「ただの中国系あんちゃんやんけ!」と思ったけど、むしろその普通のあんちゃんがスマートなカンフーアクションしてるっていうのがすげー良い。
脇を固めるヒロイン2名もそれぞれキャラ立ちしてて、生粋の中国人と中国系アメリカ人っていう対比も良かった。あと、個人的には『クリード チャンプを継ぐ男』でドラゴの息子を演じたフロリアン・ムンテアヌが敵役のNo.2ポジションであるレーザーフィストを演じてたのも嬉しかったです。悪い役なのに眼が綺麗すぎる(褒め言葉)。
でもまぁ、やっぱり全てをかっさらっていったのは主人公の父にして敵役のトニー・レオン様ですよ。何なのあの色気。マジで何なん。心を奪われない人いるんですかあれで。
↑約2時間、この色気で終始映像を支配している。マジで。
お話としてはそれこそルークに対するダース・ヴェイダーであり、家父長制の闇を体現するような存在。古典的であり、最強の毒親とも言える。でも何せトニー・レオン様なのでこの人の方に常に目が行ってしまうし、トニー・レオン様が出てくるだけでなんか心がぽかぽかする。この色気が1000年間持続してるのなら、そりゃレーザーフィストならずとも軍門に下ると思う。これでもうすぐ60歳とかどうなってるんだよトニー・レオン様……。
あと、ちょっと真面目な話だと、中国を大々的にフィーチャーした作品でありながら俳優の(過去の)政権批判で中国で上映できない状況になっていたり、シャーリン役の女優メンガー・チャンがステレオタイプな髪の色描写に抗議して変更させたことだったり……「先祖の良い面も悪い面も引き継いでいる」という台詞(記憶若干曖昧)がある作品が、図らずも東洋どちらの悪い(古い)価値観を明るみにしているのが今っぽいというか、個人的には痛快だなと(中国公開できないのは、ディズニー的にはたまったもんじゃないのかもしれませんが)。
この辺も含めてある意味、今年観た映画の中でも最も現代っぽい作品だったと思います。
↓最後にネタバレの感想。
『シャン・チー』、エピローグで○○○○○○○○○○○○○○○って話が出た時に○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○って思ったので○○○○○○○○○○あのシーンで○○○○○○○ましたね。 https://t.co/C96OMuH8Dz
— Ryuto (@dirryuto) 2021年10月11日